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同性間結婚とProp. 8

住民投票で同性間の結婚を禁じたカリフォルニア州のProp. 8に対して、連邦地方裁判所が8月初めに違憲の判決を出したのがニュースになっていたけれど、そのときのKQED forumで、判決文で結婚と子供を作る能力は関係ないとされていることに対して、Prop. 8賛成派の人が繰り返し”just bizarre”と言っていたのが印象的だった。結婚しても子供を作れないカップルもいれば、作らないカップルもいるし、養子をもらって育てることを選ぶカップルもいるわけで、結婚と子供を作る能力が直接関係ないのは、周りの現実を見れば当然のように思うけれど、賛成派の人にとってはその”just bizarre”という印象は共感できるものなんだろうな、とも思う。

今回の例は、多数決で決められた決定が、覆されるべき場合も時にはあることを思い出すのによい例だったと思う。Prop. 8の賛成派は住民の意思が一人の判事によって覆されたというけれど、多数派の意見がなんでも決められるようにすることは、少数派の権利を蹂躙しかねない危険な道なわけで、賛成派の彼らはそのことを意図的に無視しているのか、それともサポートしたカトリックやモルモンのような自らの勢力拡大が重要な宗教団体では少数派の権利など重要ではないのか。

まあ同じ話題のCharlie Roseで出演者のひとりが言っていたように、世界の潮流は同性愛者の権利を認める方向にほぼ一様に向かっているのだし、人種差別などと同じく、あるところで当然のこととして受け入れられるようになっていくんでしょう。そう思いたい。実力者の弁護士2人が勝算があるとして始めた裁判だというのも心強いです。

同性愛者の子育てについて初めて知ったのは、たぶんPBSで見たDaddy & Papaというドキュメンタリーだったと思う。それまでそういった話題に全く無知だったので、その中で描かれる家族像はちょっとした驚きの連続だったけれど、感動的なフィルムでした。普通にメディアに接していれば同性愛者の役者さんのインタビュー、最近で言えばgleeのJane Lynchのとか(All Things Considered, Fresh Air)、少ないにしても同性カップルを描いたドラマだとかにも普通に触れるわけで、そんな中で彼らに対する偏見なんかも薄れていくんだろうと思う。同性カップルが主人公のティーンドラマSouth of Nowhereも面白そうだし、最近何カ所かで監督さんのインタビュー(forum, Fresh Air, Charlie Rose)を聞いた同性カップルのファミリードラマThe Kids Are All Rightもぜひ見てみたい。

 

カトリック教会がProp. 8の主なサポーターだったということで、catholic.orgに行ってみたら、Gay Marriage and the End of Christian Civilizationだの、Top 10 Gay Marriage False ‘facts’だのといった記事が最もコメントされた記事のリストにありました、ありました。それくらいで終わってしまうものなら終わってしまえば良いのでは、って感じですけど、それはまあおいといて。

記事を読むと、これらの記事を書いている人にとって、同性愛行為は罪だし、同性愛はアルコール中毒なんかと同列の治癒すべき病のままなんですね。正しい家族は血のつながった父親と母親のいる家族だけで、それ以外の形態の家族は子供に対する暴力だとか、同性愛者の子供はそのことによって永遠に烙印を押されるだとか、自分勝手な断定の連続をよくぞここまで無神経に書けるなあとちょっとうんざり。まあ信者集団をあおり立てるための文書だからというのもあるんでしょうけど。

これらを読んで思うのは、これを書いている人にとっては目の前にいる人たちよりも聖書の言葉のほうが優先されるんだろうなということ。いくら同性愛者のカップルやシングルマザー、シングルファーザーといった過去の家族像に当てはまらない人が懸命に子供を育てて、子供がそれに応えて育っていったとしても、これらの人にとっては、大昔の社会のモラルに沿って書かれた一冊の本が正しくないと言うから、正しくないことなんでしょう。まあ宗教組織内で権力闘争の日々を送っているであろうこれらを書いている人とは違って、普通の信者さんはもう少し常識的なものの見方をする良心的な人が大多数なんだろうとは思いますが。

あ、こんなことを言っては同じmean-spiritedな人になってしまうか。でも信教の自由が同性間の結婚を認めない自由までも保障して当然だ、と無邪気に考えているのもよくわからない。同性愛者を差別するのが社会で非倫理的なこととされるなら、信教的な理由の有無にかかわらずその社会ではまずそれは禁止されるのが当然では?その上で妥協点を探すならまだわかるけれど。

Prop. 8に賛成する意見で必ず出てくるのが、もし同性間での結婚を認めたら、多重婚や近親相姦、子供に対する性的行為も認めなくてはならなくなる、という論理だけれど、これらを同列に扱って平気な無神経さもすごいけれど、自分から見れば、もし宗教的な理由というだけで同性愛者を差別することを認めたら、宗教的な理由による他の非倫理的な行為も認めなくてはならなくなる(カトリックではないかもしれないけど、他の宗教が多重婚、近親相姦、または子供に対する性的行為を宗教的伝統として認めよと言うかもしれない、とか)という問いのほうが問われるべきでは?と思う。民主主義社会にはチェックやバランスの機能がいろいろとあるけれど、もし宗教に何でもできる自由を与えたら、宗教の中にチェックやバランスの機能なんてものがあるとは思えないわけで。

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Japan: Robot Nation

最近Anime World Order Podcastで触れられていて知った、Current TVのドキュメンタリーシリーズVanguardの中の1本”Japan: Robot Nation”を見た。

特に目新しいことはなにもなかったものの、日本の少子高齢化をテーマにした番組のなかで、セックストイにホストクラブ、在日外国人に日系ブラジル人労働者、そしてヒューマノイドロボットが一緒に取り上げられていたのは面白いと思った。

約30分という短い枠にこれらを詰め込んだせいで、海外視聴者にとって刺激的な、ちょっとおかしな日本を並べただけの番組のように見えなくもないけれど、当分少子高齢化の解消にびた一文貢献するつもりのない(できないともいう)人間から見て、番組の中で描かれている日本はそれほど外れてはいないんじゃないかと思ったり。

Boxee

MacBookにインストールはしていたものの、あまり使うことのなかったBoxeeだったけれど、PBSが見れるようになったということで、アップデートしてFrontlineを見るのに使ってみた。

ブラウザを通して見るのも、フルスクリーンにすることも出来るし、そんなに悪くはないんだけれど、実際に番組を見るところまでたどり着くのが結構面倒だったりもするので、Boxeeのシンプルなメニューで見られるのは悪くない。ちょっと
Apple TVにもpatchstickを作ってBoxeeを入れてみたくなった。

Inside the Meltdown

Charlie Roseで見たのがきっかけで、ドキュメンタリーディレクターMichael Kirkの現在の金融危機についてのドキュメンタリー“Inside the Meltdown”を見た。
番組の中の出来事が実際におこっていたときにはアメリカにいて、ニュースで騒いでいたのは一応知ってはいたけれど、金融に関しては興味もそして関係もなかったので、そのときにはあまりまじめに見てはいなかった。でも、今こうやって日本に住んでいても経済の話題がニュースを支配している中で、この人の番組ならば見ないわけにはいかないだろう、ということで見たけれど、期待に違わず面白かった。
これが三部シリーズの第一部ということらしいので、続きが楽しみだ。

アメリカのドキュメンタリーの流儀なのか、この人のスタイルなのか知らないけれど、ひたすらトーキングヘッドのスタイルで様々な人に語らせつつ話が進んでいく。実はこのスタイルが大好きだったりする。(逆に役者を使った再現映像は、大部分はただチープなだけで、大嫌い。)
しかしこうして日本にいてもFRONTLINECharlie Roseが見られるのはとてもありがたい。少し待たなくてはならなかったり、画質はYoutube並みだったりするけれど、こうして簡単にアクセスできることになっているだけでも感謝。

Code Rush

http://waxy.org/2008/06/code_rush/

1998年から1999年にかけて、NetscapeがそのCommunicatorのコードをオープンソースとして公開し、生き残りを計る時期を追ったドキュメンタリー。

IEとの戦いに敗れたNetscapeの話ではあるけれど、タイトルも”Code Rush”とあるように、インターネットバブルのはじける前の熱狂も話の所々に出てくる。途中に出てきた建設中のデータセンターと、あの証券会社の人は、その後どうなったんだろう。

THE WAR EPISODE SEVEN: “The World Without War”

このシリーズもとうとうこれが最終集。最終集では、強制収容所に原子爆弾にと、正視するのがつらいような画面をきっちりと見せてくれる。

けれど、このシリーズを見ていて何より感じるのは、戦争がどうとかよりも、人の語り伝える力はすばらしいということだった。
言葉によるコミュニケーション能力は人を人足らしめているものの一つなのだから、当然といえば当然なのかもしれないけれど、語りの魅力を引き出した、魅力的な語りの詰まったシリーズだったと思う。
決してインタビュー部分だけに限らない。戦場の日記の部分もそうだし、当時の新聞のコラムをトム ハンクスが朗読した部分もそうだ。

Carrier: Life aboard the aircraft carrier USS Nimitz

http://www.pbs.org/weta/carrier/?campaign=pbshomefeatures_3_carrier_2008-04-26

この日曜日からCarrier: Life aboard the aircraft carrier USS Nimitzが始まった。10時間のミニシリーズドキュメンタリー、現在の空母での生活を描く。

戦場の日常を描いたものは見たことがあったかもしれないけれど、軍隊の日常生活についてのものはあまりみたことはなかったかも。また空母という場所が特別なのは、周囲から隔離された場所であり、そして軍隊の力のシンボルであることか。

あの巨大なシステムを動かしているのが、多くの18から20歳の若者であることにちょっとびっくり。軍隊なので当然といえば当然なのかもしれないけれど、複雑で、かつ危険で間違いの許されない環境で、実際にシステムを動かしているのね。

The Warもそうだけれど、その場を生きている、または生きていた人の視線からのストーリーはいつも自分にとって興味深い。続きが楽しみだ。